2組の新婚さんは快く提案を受け入れてくださり、撮影させてくださいました。
持てる力を全て注いで、出来た写真も大変喜んでいただけました。
今まで写真に残す光を追いかけて風景写真を撮ってきましたが、「映る人と作品を一緒に作る」という楽しさに全身を打たれた時間でした。
撮影後、私自身は今までの恩を返すつもりだったので、お金をもらうつもりではありませんでした。
しかし、2組の新婚さんたちは私にその時の報酬を払ってくださいました。
これが私にとって写真でお金をもらう最初の仕事となりました。
エンジニアとして働いていた時、労働の対価として当然のように給料をもらっていた自分にはない、達成感と高揚感がありました。
会社にいた時、私はきっと自分を切り売りしていたつもりだったんでしょう。だから感謝という気持ちが足りず、「お金を貰えて当然だ」と信じていました。結局、それが仕事をつまらなくさせ、自分の人生を大事にしていないことだと気づいてなかったのです。
そして思い出しました。
「貢献する仕組み」こそが仕事。それを忘れなければ自分の好きなこと・得意なことを仕事にできるのではないか。
この出会いと今まで蓄積されてきた出会った人たちからの優しさが、私にフォトグラファーになる勇気とひらめきをくれました。
「恩を人に返すこと」「映る人と作品を一緒に作る楽しさ」をお土産に。